※ネタバレ有り。
で、あんまり記憶力よくない上に、深くは考えて書いていないので、間違ってるところありましたらすみません。
上遠野浩平先生の事件シリーズ、最新刊。無傷姫事件を読了。
大変面白かったです!大変面白かったです!大変大変面白かったので!
それにしても、「シリーズ再誕」という帯の文句はなんだったのか?
イラストレーターの方が替わられたからなのか。
または、内容によるものなのか。
まあたぶん、イラストの方なのでしょうけど、
しかし実際に読んだ後だと、内容といわれても一理あるかなあという感想です。
無傷姫事件では、今までのシリーズ内でもちょくちょく触れられてきた重要ワードの過去・秘密がかなりがっつり書かれていますので、読むべき。読むべき。
そして、それらをしっかりと描いた上で更に先があるから、もしかすると「再誕」なのかなあと思いました。
まずはレーゼさんのお祖父さんの登場に心湧き立ち、
マーマジャール・ティクタムさんはマジで突然変異種かつ存在が救世主だったのかと驚き、
メランザ・ララズロッヒの人物像にはニヤニヤ。
更にダイキ帝国の成り立ちなど興味深い過去を掘り返しまくったところで、
挙句の果てには現在でフロスの名前を出しながらミラル・キラルやナーニャさんまで出てきてしまって、
なんだか今までの総決算みたい状態。
そこまで出された上で「次」があるからこその「再誕」ってことなのかな?と。
次に何がくるのかと、今からわくわくしますね。
記憶力の悪い私が気づいてないだけで、他にもたくさんさりげなくばらされてる過去があるかも。ひゃっほう捗るぜ!
それにしても、事件シリーズは上遠野浩平作品の中で特に個人的に大好きなせいもあるとは思いますが、
今巻を読んで、「ああ、もういつ終わってもいいな、この作品は」と思いました。
悪い意味ではなく、今巻はまさに総決算を思わせるような、
これまでのことをまとめたからこそできた傑作だと思ってます。
そもそも上遠野浩平作品は、終わりがないことが終わりのような感じで。
ブギーポップもいつ終わってもいいように書かれていると以前どっかで書いてあったような記憶がありますが、
ED達の理想が叶ったところで、それでも必ず続いていく世界が動く気配を、
歴史を振り返った今巻で大いに味わいました。
まあそれは、この本の舞台が完全なるファンタジー異世界だというせいもあると思います。
ブギーポップは、一応、現代の地球が舞台で、
あくまでも自分の世界の延長上で「こんな奴らがいるかもしれないよ」みたいなところがあるのですが、
事件シリーズの場合、「まったく知らない世界」故に、自分の頭の中で0から1まで全部を想像するしかないわけで、
新しい情報を出されればおのずと注視してしまいますから。アドレナリンが全開だ。
個人的には織田信長はどうでもよくてもEDのことならスリーサイズまで知りたいです。(欲望)
話がそれましたが。
過去から現代、そして未来へ。ED達が見つめているのは自分だけじゃなく、人類全体のこと。
しかし、正直、ヒースが一時的に世界の王になったところで、
きっと「次」が育たなければ意味がないし、時間が経てば経つほど、必ずどこかから腐敗していくでしょう。
繰り返すように、妬みと痛み、陰謀と思惑で世界は呪詛に包まれる時代も必ずやってくる。
それでもEDが見るのは、それよりもずっとずっと先なんでしょう。
そんな途方もない場所までは、たぶん、絶対にここからでは届かない。むしろ永遠に続くかもしれないこと。
そんなわけで、そもそもゴールなんてものが設定されてないよなーと、思いました、このシリーズ。
大体の小説は、世界や何かを救ったり、キャラクターを成長させたりと、
なにかと最終目標みたいなものがあると思うんですが…。
このシリーズの場合、ぶっちゃけ、話はただの経過だけで――まあ、それがめっちゃくちゃ面白いからいいんですけど。
すっげー面白いからイイんですけど。
読まされてるのは生き様そのものなんですよね。
今巻もものすごく美味しかったです。ありがとうございます。
でもだからこそ、いつ途切れたとしても、ここで終わりだとしても、
ED達のこれからを信じながら、感じながら、たぶん気持ちよく本を閉じれるだろうなーと思っちゃったんですよね。
それくらい、今巻は本当に良かった。良かった。悔いなし。
EDだけじゃなく、無傷姫たち一人一人、
ノンプトなど、その周りの人も全員が大好きになりました。本当にいいおっさんだった。
ノスチャンの絵に描いたような駄目色男落ちぶれテロっぷりも最高でした。
恋愛脳かもしれませんが、ユルランがハリカ姫に抱いた感情は、恋を越えたかもしれない恋だと思います。
彼女の強さ、その存在に近づくことで理由をわかりたいとユルランは話していましたが、
ハリカが本当に持っていた強さを思うと、その眩しさにこそ惹かれていたと思うと、
まあ別に恋と言っても間違っちゃいないんじゃねと。世界調停士様最高。
これまでのイラストもすごく良くて大好きですが、新しい獅子猿さんのイラストも良かったです。
美しい碧で彩られた表紙も、胡散臭くて最高なEDも。
ミリカ姫の眼鏡だけは委員長のイメージ先行型というか、もしかすると趣味とも思えますが、好きです。
……まあ本当の正直にいうと、「再誕」とまでつけたんだし、
こんだけ面白いんだから末永く続けてもらわないと本気で困るんですけどもね。
時間かかっていいから絶対に続けて欲しい。もっとEDを見せろ!ヒースを出せ!リーゼさんによりトキメキを!
次も首を長くして、期待してようと思います。

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