嬉野秋彦@お仕事随時募集中 @a_ureshino

2019年10月03日(木) 06:06:30 ライバルとか仲間とかのこと。
・紅丸
 京にとっての紅丸というのは、少なくとも『94』では過去に因縁のあるライバルとして用意されていたはずのキャラで、実際、チーム結成までのストーリーを読むかぎりはそうあつかわれている。ただ、『95』で登場した庵があまりにも強烈すぎ、さらに京と庵をセットにした時のマッチング具合が神がかりすぎていたために、もはやふたりの間には何も入り込む隙間がなくなってしまった。当然、そこにはライバルとしての紅丸の立つ瀬はない。これもまたすごく完成度が高いキャラであるはずの社さえ、「京の敵」にも「庵の敵」にもなれなくなってしまったのである。
 結局、紅丸は宿敵ポジションを庵にゆずり、ライバルの要素を残しつつも、仲間+悪友+兄貴分的なポジションにスマートにシフトした。
 キャラの配置を考えた時に、主人公に対して同じ役割を持つキャラが複数いた場合、そのすべてが同じ存在感を持ち続けるのは非常に難しいことで、たとえるなら、それまで主人公の宿敵ポジにいたはずの某魔王二世が、デコの広い某エリート王子の登場に合わせて、いつしか宿敵ではなく仲間、頼れる参謀、もしくは親戚のおじさんのようなポジションに推移していったようなものである。
 ちなみに、京の恋人のユキちゃんは、ライバル要素や宿敵要素をいっさい持たない完全な別枠で、いわば故郷で夫の帰りを待つ控えめな女房タイプだったから、あの嵐のような時代を大過なくすごせたのだと思う。もしこれが格闘少女的なキャラで「わたしも京といっしょに闘う!」みたいなことをいっていたら、瞬時に消し飛ばされていたんじゃないだろうか(熱狂的なファンによってか、あるいは庵によってかは判らないが)。

・庵
 庵はもう自然現象というか超常現象みたいなもので、「どこだ、京!?」とかいいつつも、最終的には京のいることろをサーチして瞬間移動してくる特殊なスキルを持っているし、オリジナルの京とクローン京とを瞬時に見分けるひよこ鑑定士みたいなスキルも持っている。
 あと、京が死んだその瞬間に、庵もふっとこの世界から消えてなくなるんじゃないかという気がする。京が死んで生き甲斐がなくなったからみずから死を選ぶ、とかいう話ではなく、存在が消滅しそう。超常現象。まあ、その前にひと晩ゆっくり心安らかに眠るけど。

・ちづる
 ユキちゃんが闘う少女だったら京と庵の間に立てずに消し飛んでいたかもしれない、とぼくが思う根拠がちづる。京と庵の足元にはギリギリふたりだけが立てる足場しかないのに、ちづるはそれに気づかなかった。神器としての使命感から、「ふたりとも、わたしといっしょにオロチを封じるのよ!」とふたりと同じステージに立ってみちびこうとした結果、最終的にはそこからひとりだけすべり落ち、ふたりに置いていかれた。
 ぼくが何かというと紅丸とちづるをセットにしたがるのは、紅丸も(『97』ラストの時点で)京に置いていかれた人間だから。ただ、ちづるは同じ神器の仲間として京と庵の両方に置いていかれているので、心に負った傷はさらに重い。

・マキシマ
 K’にとってのマキシマは、ライバルでも宿敵でも先輩でも恋人でもなく、クリザリッド(さらにいうならイグニス)の計画がなければ出会うことすらなかったかもしれない。最初からネスツ壊滅を目標にしていたマキシマにとっては、なりゆきで逃亡生活をともにすることになったK’は頼もしい戦力だったろうし、K’にとってはマキシマはあれこれ面倒を見てくれるスマートスピーカーみたいなものだったと思う。ネスツとの戦いを乗り越えたあとですら、ふたりの間に友情は生まれていないだろうが、自分ひとりで逃亡できるにもかかわらず、何だかんだでいっしょに行動しているのは、K’をある種の戦友か、それこそ相棒だと認めているからだと思う。

・クーラ
 K’の宿敵、もしくはライバルとして登場し、仲間に落ち着いたクーラが、わりとすんなりそのポジションを得られたのは、偶然なのか計算なのか、K’たちが疑似家族的なキャラ構成になっているからではないかと思う。生真面目な父(=ウィップ)、頼れる母(=マキシマ)、反抗期の息子(=K’)だけだとギスギスしすぎてバランスがよくないが、そこに無邪気な妹(=クーラ)が入ると家族が長持ちする。みんなの心のオアシス。
 あと、この子のおかげで、「こふには途中から主人公にとって重要な女性キャラが登場する」みたいな流れができた気がする。京→ちづる、K’→クーラ、アッシュ→ベティ、双子→ルイーゼ、的な。

・K9999
 クーラと同じくK’の敵として登場し、設定上でも因縁がなかったわけではないはずのK9999が、ついにK’のライバルになれなかったのは、クーラと役割がかぶっていたからではなく、単にK9999がそういうピエロ役をイグニスから割り振られていたからだと思う。
 要するに、K9999はK’を強烈に意識し、執拗に狙っているにもかかわらず、K’のほうでは彼を単に面倒なヤツくらいにしか思っていない。強い弱いでいうなら間違いなく強いが、「おっ、K9999だな」と認識してもらえず、「誰だか知らねえがめんどくせぇな」ぐらいにしか思ってもらえない。あつかわれ方がとにかく軽い。それがK9999をさらに苛立たせ、能力をゆがんだ形で増大させることになるのだが、結局それも、K’を最強の人類として完成させるために必要な障害(=大きな経験値)として彼を用意したイグニスのシナリオ通りだった(と当時のスタッフが考えていたかどうかは知らないが、そう思うと無理が少ない)。

・デュオロン/シェン
 歴代主人公とその仲間(?)の関係性の濃さでいうなら、オロチ編がもっとも濃く、次がネスツ編、そしてアッシュ編が一番薄い。K’とマキシマの関係もかなりドライなものだが、アッシュとデュオロン、シェンの関係はそれよりさらに希薄で、何かしらのイベントで生じた絆がある3人組でもなければ、何かに追われて手を組むことを余儀なくされた3人でもない。そもそもこの3人は、たまたま『03』の時点で上海にいた顔見知り程度の仲でしかないのである。おまけにひとりは倫理観の欠如した裏切り小僧、残りもヤクザが避けて通るようなチンピラに暗殺者という組み合わせで、どう考えても友情の生まれる余地などない。
 ただ、それでも一応、年長のふたりからアッシュに対しての情のようなものがないわけではなく、それはとても淡く、不器用で武骨なものだと思う(だからこそあのエンディングが際立つ)。

・ベティ
 アッシュの保護者であり、姉のようなポジション。その意味ではオロチ編のちづるに近いものがあるが、ちづるが京や庵にそこまで肩入れしていなかったのにくらべ、アッシュと姉弟同然に暮らしていた時期があるぶん、アッシュに対してはよりウェットで、恋愛感情にも似たものを感じる。ただ、開発段階では、「この子はアッシュのことが好きなのでは?」とファンに勘繰らせるようなキャラがいたので、もしその子が登場していたら、ベティはもっとちづる寄りになるか、逆にもっとアッシュの恋人っぽくなるかしていたかもしれない。
 しかし、『15』でアッシュが復活しそうな気配がなきにしもあらずなので、もしかしたらベティも再登場&何かしらの変化があるかもしれない。
464views