https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/01360/00006/
熊本県南部での集中豪雨によって球磨川の国管理区間で決壊や越水などが発生した12カ所は、水害の恐れのある「重要水防箇所」だと分かった。なお、30mにわたって決壊した堤防は旧川跡で、地質のもろさなどから「要注意」と判定されていた。
球磨川を管理する国土交通省九州地方整備局は毎年3月、水防で特に注意が必要な箇所を「重要水防箇所」に位置づけ、地元の市町村や水防団に周知している。
球磨川の国管理区間は100.3㎞。洪水が堤防を越える恐れがある「Aランク」は47カ所、堤防の高さに余裕がない「Bランク」は78カ所、完成後3年未満の箇所や過去に堤防が壊れたり川が流れていたりした「要注意」は71カ所、背後地に市街部などがある「重点」が22カ所ある。2019年時点の堤防整備率は76%だった。
堤防を越えて水が流れる越水や、堤防のない箇所から水があふれる溢水(いっすい)が発生した11カ所のうち、Aランクが1カ所、Bランクが6カ所、要注意が3カ所、重点が1カ所だった。要注意の3カ所は、いずれも1965年7月の戦後最大の洪水で堤防が壊れた箇所だ。
一方、決壊した人吉市中神町の堤防は、かつて蛇行して流れていた川を直線化する際に造った。
砂礫(れき)層の地盤が多い旧川跡では一般的に、川の水が地中の砂礫層を通って堤防背後の土地に噴出する「パイピング現象」が発生しやすい。この現象が生じると堤防が壊れやすくなる。
河川の専門家の間では、「旧川跡はもともと川が流れたがっていた場所だ。堤防をいくら補強しても、決壊を完全に防ぐのは難しい」といった指摘もある。そのため、旧川跡は堤防の改修などを行った後も、重要水防箇所の要注意の対象から外さない。九州地整は今後、詳細に決壊の原因究明を進める方針だ。
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球磨川の国管理区間で決壊や越水、溢水をした12カ所が「重要水防箇所」に位置付けられていた。洪水が堤防を越える恐れのある「Aランク」、堤防の高さなどに余裕がない「Bランク」、過去に堤防が壊れたなど「要注意」、背後地に市街部などがある「重点」。「重点」箇所では、2016年3月に堤防が新設された。新設堤防は、圧密で盛り土が締め固められるまで一定期間を要する。そのため、完成後3年未満の箇所は「要注意」に位置づけられる。「重点」箇所は、堤防の完成後4年以上がたっていたため、「要注意」の対象から外れていた。