さかなのかげふみ @Spia23Tc

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 原発事故による放射性物質で汚染された山林の土砂が豪雨で流出すれば、下流の生活圏の空間線量率に変化はあるのか――。日本原子力研究開発機構が昨秋の台風19号で被災した福島県南相馬市の依頼を受け、現地を調べたところ、意外な結果が出た。

 東京電力福島第一原発事故による国の避難指示が出た南相馬市など11市町村では、特に線量率が高い「帰還困難区域」を除く地区の除染が2017年3月までに終わった。ただ、対象は住宅などに限られ、住民の生活圏から離れた山林などはほぼ除染されていない。

 昨年10月、台風などの豪雨で南相馬市では河川は氾濫(はんらん)。市民からは、山や川の土が生活圏に出てきて汚染されることを心配する声が出た。そこで市は市の除染関係の有識者会議メンバーだった原子力機構の幹部に調査を依頼した。

 原子力機構は原発事故後、県内の放射性物質の分布の変化を調べてきた。昨年10月の豪雨時に浸水する前後で空間線量率を比べるため、過去のデータがある市内の川沿いの公園や河川敷など福島第一原発から北西に約15~30キロにある5カ所を調査地点に選び、今年1月にかけて、調査や分析を行った。

 その結果、浸水後は5地点とも線量率は低下していた。下がり幅は、自然に放射能が半分になる「半減期」から推測される幅よりも大きかった。特に、砂がたまっていた場所で線量率が低下していた。

 5地点のうちの一つで、上真野川沿いの除染土の仮置き場あたりを調べると、山林の地中深い部分から流出したとみられる土砂がたまっていた。川の上流にある未除染の山林では深さ約2メートル、幅約4メートルの「枯れ沢」を確認。この枯れ沢は普段は水は流れていないが、豪雨時は水が流れて沢の側壁や底が削られて土砂が流出し、下流まで流れていくとみられる。

 土砂の「供給元」である沢の側壁や底は、山林では地中深い部分にあたる。放射性物質は、浅い土に多く含まれ、地中深くには少ないとわかっているため、豪雨時に流出した土砂の多くはあまり汚染していなかったと考えられるという。

 原子力機構福島研究開発部門の飯島和毅・環境影響研究ディビジョン長は、第一原発周辺のほかの山林でも豪雨時には同様の流出パターンになると推測する。飯島さんは「未除染の山林の土砂が豪雨で流出し、下流の周辺に土砂がたまっても線量率が上がる心配はないだろう」と話した。(福地慶太郎)



過去記事 20191118|
高濃度汚染土 流出 福島山林 下流に拡散か https://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2019111890070225.html https://archive.is/Fr5tq
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