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静岡県熱海市で3日に起きた大規模な土石流で、家屋を押し流された被災者などの債務を金融機関が減免する特別措置が5日に発動した。自然災害の被災者の返済負担を軽くするための「自然災害債務整理ガイドライン」が適用され、個人の住宅ローンや自動車ローン、個人事業主の事業性ローンなどが減免の対象となる。最も多くの額を借りている金融機関に相談することで手続きが始まる。
生活基盤や事業所を失い、借り入れの返済が難しくなった人が申請できる。ローン返済中の自宅が被災し、再建のための費用が重なる「二重ローン」に陥ることを防ぐ措置として、2011年の東日本大震災で導入された。16年にそのほかの大規模災害にも適用が広がり、21年3月時点の申請件数は7165件で、1923件で減免が実現した。
金融機関に申し出た後で債務整理に向けた手続きが始まると、弁護士などの専門家が間に入って必要な書類などを調整する。自己破産や民事再生といった法的な措置よりも生活再建を進めやすく、個人の信用情報が傷つかないメリットがある。
20年12月には新型コロナウイルスの感染拡大により収入が減少した個人にもガイドラインが適用されるようになった。同年2~10月に受けた実質無利子・無担保融資も対象の債務になった一方で、自然災害と異なり物理的な損害が出ている訳ではないため住宅ローンは外れた。各金融機関は融資の条件変更などで対応している。3月末時点で676件の申請があった。
全国銀行協会は5日、約束手形を受け取った企業が銀行に持ち込むのが遅れても、通常通り、相手企業に入金を請求できるようにする特別措置を出した。手形を振り出した企業が約束の期日までに手形に記載した額を用意できなくても不渡り処分を猶予する。災害の影響を受けた個人の返済が滞った場合も、本人の信用情報が傷つかないようにするよう全国の金融機関や信用保証協会に要請した。
(上田志晃)