さかなのかげふみ @Spia23Tc

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA303HD0Q1A730C2000000/?unlock=1

東京電力福島第1原子力発電所の処理水放出を見据え、政府は水産物の風評被害に対応するための基金をつくる。販売の減少や価格下落などの被害が生じた場合、基金を使って買い取ることができるようにする。2011年の原発事故による需要の急激な落ち込みから水産業者は立ち直りつつあるが、中長期をにらんだ息の長い支援を打ち出す。

政府は4月に処理水を海に放出する方針を決めたのを踏まえ、風評被害対策を検討してきた。月内をめどにまとめる対策に基金創設を盛り込む。

国・地方の予算は通常ならば単年度で使い切る必要があるが、基金にすれば年度をまたいだ資金拠出が可能だ。

仕組みは自民、公明両党が求めていた経緯がある。処理水の放出開始は23年春を想定しており、22年度までにあらかじめ基金を創設。来年度予算の概算要求に盛り込む。政府内には規模は10億円を超えるとの見方があり、当初何年分を積むかで金額は変わる。

政府・与党内には金額を大きくしたほうが事業者が安心するとの声の一方、風評被害を極力起こさないのだから小規模で構わないとの意見もある。今後編成を見込む21年度補正予算案に盛り込み、年度内に創設を前倒しする可能性もある。

だ。

原発事故の賠償を担う東京電力ホールディングスには、風評被害が出た場合の具体的な枠組みを早期に示すよう政府から求める。基金創設には東電任せにせず、政府として処理水放出に責任を持って対応する姿勢を示す狙いがある。

もっとも、風評被害が起きないよう万全を期す努力が欠かせない。

放出前に放射性物質のトリチウム(三重水素)を含む処理水を海水で100倍以上に薄め、世界保健機関(WHO)の飲料水水質ガイドラインの7分の1程度にトリチウムの濃度を下げる。秋にも国際原子力機関(IAEA)の派遣団を受け入れ、放出方法の安全性を評価してもらう。科学的に安全性が証明されている点を政府として国内外に広く発信する。

他方、原発事故から10年たってもなお中国や韓国など15カ国・地域は、日本の海産物や農産物などの輸入停止や検査の証明書の要求といった規制を続けている。

これらの国・地域は処理水放出をきっかけに規制を強める可能性がある。国内でも「常磐もの」と呼ばれブランド力の高かった福島産のヒラメなどの取り扱いが一部の量販店で減ったままなど影響は残る。放出に対して水産業者などは反発している。
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