宮内悠介 @chocolatechnica

杢太郎日記(『木下杢太郎日記 第一巻』)

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書誌・ご予約:https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784344038998

第8位。このあたりから、校閲の本気が発揮されるから覚悟を。
覚悟すべきはぼくなのだが。

と、校閲の仕事をしたことはないのだけれど、
ぼくが想像するのはこのようなものだ。
原稿を読み、怪しいところは事実関係を調べる。
慣れた人ならば、眺めた瞬間、直感的に怪しい箇所が浮かび上がる。

なぜそう思うかと言うと、ぼくの前職はプログラマで、
プログラムというのは主に文章なのに、慣れてくると、
「ぱっと絵的に見て怪しいところが浮かんで見える」
からなのだ。

知らない人からすると、わりと超能力。
おそらく、慣れた校閲さんもそうではないかと思う。

が、プログラムもそうなのだけれど、えてしてこんなことがある。

「なぜそこを怪しむことができた?」
「そしてなぜそのバグを発見できた?!」

というわけで――
ここから先は、おおむねが、超能力の先の超能力、
校閲さんのセブンセンシズのお話になっていく。

ところで、本書『かくして彼女は宴で語る』は、
ぼくとしては珍しいことに、食事のシーンが多い。
全章に食事の描写がある。

で、これは確か杉江松恋さんが昔書いておられたのだけど、
食事というのは三大欲求そのものである。
したがって、食事シーンはちょっと恥ずかしい。
性描写みたいなもんじゃないか、ということだ(大意)。

この件はいろんな意見や立場があると思うけれど、
ぼくはまったく同じように感じるため、
これまで三大欲求の描写を極力避けてきた。

でも、今回は毎回宴が催される話である。
食事を楽しみにする読者のかたもいるはず。
さすがに出さないのは味気ない。出すなら出すで工夫したい。
というわけで、その食事を少し凝ったりもしてみた。

閑話休題。

今回は、その食事がらみの話、最終章からの一文を。

【原文】
これにあう酒はなんだろうという話になり、めいめい、ワインやらビールやらを追加で頼む。

【指摘】
杢太郎日記ではこの日、日本酒、ビール、ウイスキーを飲んだようですが、ワインでOK?

いや、その、なんだろう。

よくチェックしようと思いましたね?!!

というわけで、杢太郎の日記を確認する(画像)。
ふむ、whiskyと来たか。

【修正】
ワイン→ウイスキー

一見すると地味だけれど、これはすごい指摘だと思う。

何度も言うけど、ぼくはうっかり者だ。
校閲さんからすると、一目で浮かぶ怪しい箇所があると思う。

でも、さすがにこの一文は怪しまないでしょう?!

このすごさを、うまく伝えられたならばいいのだけど。
なお、ここから先、もっとすごくなります。

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