さかなのかげふみ @Spia23Tc

2019年02月27日(水) 23:30:18

福島の森、セシウムは地中へ シイタケ原木の生産再開は  20190227 朝日

https://digital.asahi.com/articles/ASM2T54WGM2TULBJ00T.html?_requesturl=articles%2FASM2T54WGM2TULBJ00T.html&rm=770

 東京電力福島第一原発事故で飛散した大量の放射性セシウム。事故から8年近くが経ち、福島県の約7割を占める森林では、ほとんどが土壌にとどまっていることが明らかになってきた。空気中に浮遊するセシウムを植物が取り込む仕組みも、徐々に解明されつつある。


■9割超が土壌にとどまる

 福島県の森林の大半は、除染が進んでいない。除染済みの宅地や農地に影響を与えていないか、各地で研究が進んでいる。

 日本原子力研究開発機構は、2013~16年にかけて川内村や川俣町の森林を調査した。針葉樹と落葉樹の森の斜面で、雨水などで流れ出るセシウムを調べた。その結果、セシウムの流出は川内村のスギ林で0・05~0・48%、川俣町の雑木林の緩やかな斜面で0・02~0・08%、急斜面でも0・15~0・73%にとどまっていた。年ごとの大きな増減もなかった。

 原子力機構福島環境安全センターの飯島和毅グループリーダーは「森林土壌にはセシウムを吸着する鉱物があり、地表から深さ5センチ程度に長きにわたってとどまっている」とみる。林野庁の資料によると、葉や枝に付着していたセシウムは落葉や降雨によって地面に移り、土壌にとどまる割合が9割以上になっている。

 1950~60年代に米国や旧ソ連などが相次いで行った大気圏核実験で日本にも飛来した放射性セシウムの動態から、地中に取り込まれる速度も推計できる。

 森林総合研究所の三浦覚・震災復興・放射性物質研究拠点長らは福島の事故前の08年、全国316地点の森林土壌について、それぞれ深さ30センチまでの放射性セシウムの蓄積を調べた。分析の結果、核実験で降ったセシウムは約半世紀で平均8・8センチほど地中に浸透していた。

 三浦さんは「50年前の核実験によるセシウムの動きから、福島事故によるセシウムの動きも予測できる」と話す。


■カリウム有無で吸収に差

 チェルノブイリ原発事故後の研究で、土壌中のセシウムの植物による吸収を抑えるには、カリウムが効果があることが確かめられている。東京大の研究チームによると、植物はカリウムが不足すると、同じアルカリ金属元素で性質が似たセシウムを取り込もうとする。カリウムが十分にあるときは、逆に吸収しにくくなると考えられている。

 森林総研の実験では、ヒノキの苗木をカリウムをまいた土壌とそうでない土壌で育てた場合、まいた方のセシウム濃度は葉で8分の1、根や枝でも4分の1ほどにとどまった。三浦さんは「汚染地域のシイタケ原木の生産再開に生かせる可能性がある」と話す。


■空中に舞うと、葉でも吸収か

 植物はセシウムを土壌からだけでなく、葉などを通して空気中から取り込む可能性もわかってきた。

 東京大の研究チームは昨年8月、小松菜が浮遊する放射性セシウムを取り込み、地表面に近いほどその濃度が高かったとする論文を発表した。

 2017年の夏から冬にかけて、福島第一原発から約50キロ離れたいわき市、約35キロの飯舘村、約12キロの南相馬市、いずれも避難指示が解除されていない4・5キロと3・5キロ離れた2地点で、きれいな土と水を使って小松菜を栽培。地面から30センチ、60センチ、1・2メートルと高さを変えて育てた。

 その結果、除染済みのいわき、飯舘、南相馬の3地点で栽培した小松菜からはほとんどセシウムが検出されなかった。4・5キロの帰還困難区域の除染済み地点では、乾燥させた状態でも1キログラムあたり100ベクレルを超えるものはなかった。

 一方、いずれも帰還困難区域で未除染の4・5キロと3・5キロの地点では、除染済みの4・5キロ地点と比べて3倍以上高いものがあった。水洗いした方が濃度は低くなる傾向があった。

 研究チームの二瓶(にへい)直登・特任准教授は「地面から巻き上げられて浮遊するセシウムが、植物に取り込まれている可能性がある。がれき撤去などでは、浮遊させない対策が必要になる」と話す。(小川裕介)
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