2022年07月26日(火) 16:40:09
俺は、呼ばれているのだと思った。
俺はきっと、どう足掻いても彼らの場所にはたどり着けない。願わくば一度だけでも再会して、会いたかったぜと二人を抱きしめたかったけれど……
天にはたどり着けず、今、地の底から誰かが俺の名を呼んでいる。
誰かの声、誰かの名前──俺の目には解読不可能な文字にしか見えず、説明されても分からない。ただぼんやりと苗字の中に『神』の字が入る、ということは憶えていた。
名前の方は、もう笑っちまうほどそのままの意味だった。
美しい場所でマリアとマークは安らいでいるのだろう。
俺はその天へは行けない。地獄へ戻り、最期にはその先の地獄へ堕ちる。
悪いな、二人とも。俺は行けないが許してくれ。いつだって生きてる限り、二人のことを思い続ける。この俺に愛情を教えてくれた家族だ、忘れようがないだろう?
許してくれ、地獄を選んでしまった俺を。
あの声が聞こえるだろう? 血まみれの誰かが俺を呼んでるんだ。ここは死ぬよりも地獄だと……
しばらくは声も出ず、目だけを動かすと「前よりも獣じみた仕草」だと笑われた。
最初は信じなかったと彼は言った。──いくらドクターの言葉でも信じられる訳ないだろ、と。
情けなく横たわった俺を見て初めて、膝から崩れ落ちて「ジャン」とだけ呟いたそうだ。(俺はその場面を知らない)
戦いで疲弊しきって、体力も気力も限界だっただろうからな。そこに死人が蘇生したとなれば、それはもう……絶句もするだろうよ。
※以下、随時更新
もっと短いポエムにするつもりだったのに。