宮内悠介 @chocolatechnica

問題の道のご様子(『新撰東京名所図会 第22編』)

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今回は、連載中にもつぶやいたやつを。

作中の料理店「第一やまと」は両国橋の西側にある。
両国公園っていう公園があって(いま両国にあるのとは別)、
その敷地に「洋館まがい」の木造三階建てがあったとか。

現在の地名だと、東日本橋のあたり。

神田川をてくてく東へ歩き、隅田川とぶつかったあたりだ。
当時、この神田川沿いには電車道があった。

手元の地図だと、この電車道がちょうどいい具合に
神田川をつたう形になっている。
この道を歩いて「パンの会」にやってきたメンバーもいるはず。

となればやっぱり、こういう道を歩いた話も出したい。
俺はこういうのを積み重ねて、リアルに行くぜ。

というわけで、虫眼鏡で秘蔵の古地図を見てみる。
ここの電車道の川側は……うんと、土手かな?

【原文】
杢太郎は左手に神田川を見ながら、背広姿の小柄な洋人を伴って東を目指していた。

【指摘】
道を歩きながら川を広く見渡すことはできないと思われますが、OKですか?

説明書きがある。読んでみると、こういうことらしい。
「そこからだと建物が邪魔で川は見えないよ」と。

Oh...
まったくリアルじゃなかったぜ!!

添付されてきたイラストを見る(画像)。
「一目瞭然」というやつである。

それにしても、なぜわかったのか。

仮説1:確認の過程で、ぼくのより詳細な地図を見た

普通に考えるなら、まあこうだろう。
でも、正直そこまで怪しむべき描写には見えない。
というより、ほとんどの人が流し読みしそうなところ。
それを怪しみ、時間をかけて確認するだろうか?

もしかしたらなんだけど、たぶんこうではないか。

仮説2:校閲さんは、その道を最初から「知っていた」

いまちょっと、ぞくりと来ませんでした?
ぼくは来た。この連載はそういうのばかりだった。

だいたい『新撰東京名所図会 第22編』ってなんだよ!

まあそれはいい。問題はどう直すかだ。

これは雑誌連載中の校正作業。
時間をかけて、全体の雰囲気を直している暇がない。

本当はせっかくイラストをもらったのだから、
それを描写すると指摘した側も喜んでくれそう。

でも、こういうときの鉄則が一つ。
余計なことをすると、余計なバグを生む。

一番ありそうなのが、
「それをやろうとして、建物の部位の名称を間違える」
とかだ。

まして、掲載紙にはいろんな人が作品を寄せている。
こんなことで進行を圧迫させたくはない。

こういうときは、ドライに行くと決めている。

【修正】
杢太郎は神田川を左手に、背広姿の小柄な洋人を伴って東を目指していた。

嘘はつかず、雰囲気はそこそこそのままに。

こんなとき皆がどういう直しを入れるのかは、
ちょっと興味のあるところ。どうなんだろう。

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