宮内悠介 @chocolatechnica

『スバル』第一号。千葉の図書館にあったらしい

吉井勇「うすなさけ」(『スバル』第一号)

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書誌・ご予約:https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784344038998

吉井勇。歌人。一日一升六合は飲むと豪語する酒豪で、
作中では主にすっとぼけ担当。

「パンの会」はわりと「いいとこの人」が多いんだけど、
この人はずばり伯爵家。
実はそれが彼の人生を翻弄するのだけど、それはのちの話。
個人的には、晩年になってからの作が好きだ。

有名なのは、たぶんこれだろう。

--(引用ここから)--
いのち短し 恋せよ乙女
あかき唇 褪(あ)せぬ間に
熱き血潮の 冷えぬ間に
明日の月日は ないものを

いのち短し 恋せよ乙女
いざ手をとりて かの舟に
いざ燃ゆる頬(ほ)を 君が頬(ほ)に
ここには誰れも 来ぬものを

(「ゴンドラの唄」より抜粋、引用者)
--(引用ここまで)--

その評伝『吉井勇 人と文学』(木俣修)にはこうある。

「『スバル』の創刊号に勇は「うすなさけ」と題する短歌八十八首の大作を発表した」

この号、勇は編集か何かの仕事を受け、それを放置した。
そしてがんばったのは、いま何かと「ダメなやつ」と言われる啄木だったりする。(なんていうかすごい雑誌だ)

というわけで、当の『スバル』創刊号が出た時期、
第三章にぼくはこういうことを書いた。

【原文】
(勇は)『スバル』の仕事をひき受けながらも、何もしようとしていないと啄木はこぼしていた。そのくせ、『スバル』の創刊号に短歌八十八首からなる大作を出したあたり、なかなかに面の皮が厚い。

ちょっと主観が入ってるかな。
でも、これくらいの書きかたは許されるだろう。

指摘は、思わぬ方向からやってきた。

【指摘】
数えると七十八首ですがOKですか?

?!

八十八首じゃないの? だってほら、きりがいいし。
っていうか、「数えると」ってありますね?

数えたの?!

というわけで、校閲からの添付資料(画像)。
ぼくも数えてみる。確かに七十八首である。

まあ、直すぶんには簡単だ。

【修正】
八十八首→七十八首

驚くよりも先に笑っちゃう指摘というやつがある。
今回は、そのタイプのやつのご紹介でした。

しかし数えたのか。数えたんだ……。
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